31.苗を入手する
さて、苗はどうするかが問題となります。狭い谷津田を借りて米つくりをすることを想定すれば、遠く昔のお百姓さんに思いを馳せ、田植えはやはり手植えでするのが実感を伴い、楽しい作業でしょう。
それにしても米作りは1年に1回。10年やっても10回しかできません。そこで道は二つにわかれます。「10回しか出来ないのだから、すべて自分でやってみよう」と考えるか、「失敗すればその年は台無しになるから、最初は他人の手を借りて」となるかです。いずれにせよ「苗半作」と言うように、苗の良し悪しが米の出来不出来に50%の影響を占めるのですから、この選択は重要です。
前者ですと、保温折衷苗代で薄蒔きをして立派な大苗をつくることはできますが、苗代つくりや苗代の管理には、どうしても70歳以上の農家の人の指導をうけることが必要になります。今では機械化が進んでいるので、田植機に適用しないこんな苗代つくりなどだれもしていませんが、70歳以上の人ならば、昔の作業のコツは体に染みついているので、むしろ喜んで教えてくれるでしょう。
後者ですと、出来合いの苗を買うことになります。私も最初はそうしたのですが、近所の米つくり農家からでも、また水稲組合からでもいいのですが、ハウスで作られた田植機用の1枚700円程度の箱苗を分けてもらうのです。1箇所に5本ほど植えるようにつくられているので、苗箱の苗はびっしり。つまり背は高くとも1本1本は細い苗ですから、苗半作の観点からすると、あまりお薦めできません。大苗なら1本植えで十分に20株にはなります(これを「分けつ」といいます)が、この場合はまあ2~3本ずつ植えて、同じ茎数を確保することになります。でも、苗で失敗することを思えば、安全策と言えなくもありません。
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