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2006年11月27日 (月)

27.農機具を揃える

 家庭菜園的な面積数アールの畑の場合と10アール以上の畑の場合とでは農機具の揃え方にもおのずと違いがでてきます。私の知人で数アールの自給用の畑を耕している人は、耕耘はすべて平鍬と万能(刃の爪が3~5本ついた土起こしに適した農具)と唐鍬(刃が厚く木や竹、笹の根を切るのに威力を発揮する)でやっています。特に唐鍬は刃が重い分だけ雑草とりには適しています。鍬の自重を利用して軽く土の表面を削るだけでしつこい雑草も簡単にとれます。

鎌は3種類用意したらいいでしょう。刃が外側についている草刈り用のもの。刃が内側についていていくらか厚手の篠竹や小枝を切るのに適したもの、それに作物の近くの雑草を丁寧にけずり取る小鎌。このほかに通称〈無精鎌〉という立ち鎌(ホー)があります。刃先が平らないしはV字形の長い柄が付いているもので、立ったままで雑草の生えた土の表面を削ることができます。つえ代わりにホーを持って畑の見回りをしながら、その都度畑の表面を削っていると、草も生えずにすみます。

問題は耕耘機です。トラクターは数十馬力の大型からのから十数馬力の小型のものまでありますし、自動耕耘機(ハンドトラクター)、ティラー、豆トラ、管理機(作物と作物の間の畝間を耕す機械)などもあり、畑の規模によってどれを取得するかは悩むところです。いずれにせよ先ずは中古品を顔見知りの農機具店に探してもらうと良いでしょう。トラクター以外のものは小さいだけにそれだけ機械操作に力がいります。それと、耕した後に轍が残るので、表面を平にする整地用のレーキ(櫛の歯のようなものがついた長柄の農具)という器具がいります。

堆肥や土を運むのに一輪車が1台あったほうがいいでしょう。ホームセンターで買えば、そんなに高いものではありません。それと、どうしても家や畑の周辺にはびこる雑草を刈るのにエンジン式の刈り払い機が必要になってきます。堆肥の材料を集めるのに熊手とともになくてはならない常備の器具と思ってください。

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2006年11月22日 (水)

26.ニワトリを飼う 実践編

 自家用に数羽のニワトリを飼う程度でしたら、平飼い養鶏をしている所を探して、分けて貰うのがいいでしょう。また、30羽~50羽ほどまとめて飼うときは、雛を孵卵場に注文することはできます。一般に孵卵場は百や千の単位での取引をしているので、そんな少羽数のために特別に雛をかえすようなことはしません。大抵は、他の養鶏場が注文したときに便乗するかたちで、そのお余りをこちらに廻してくれるのです。待ち日はだいたい1月半くらいと思ったらよいでしょう。孵化した翌日の雛が届けられます。

入数後6ヶ月を過ぎた頃から産卵を始めますが、最近の品種は5ヶ月を過ぎると産み始めるものもいます。そのことを頭にいれて入雛日を決めればいいのです。有精卵が望ましいので、雌15羽に雄1羽の割合で雄の雛をサービスで加えてもらうことができます。雌の雛1羽250円程度でしょうか。季節にもよりますが、入雛最初の2週間ほどは夜は電球で加温してやる必要があります。

 平飼い養鶏法の書物としては、岐阜の中島正さんが書いている『自然卵養鶏法』(農文協刊)がバイブル的存在。手許に置かれることをお薦めします。

私の11月での実験では、有精卵は常温で40日間放置しておいてもほとんど卵質に変化がありませんでした。つまり冷蔵庫に入れないほうがいいのです。でも、夏はそうはいきません。涼しいところに置くようにしてください。

 平飼いのニワトリは1年半も過ぎると、皮はもちろんのこと、肉も筋が入って硬くなり、咀嚼にやや問題があります。しかし味は抜群ですから、自分で殺すにしろ処理場で内臓を抜いてもらうにしろ、自宅に手回しの挽き肉器を1台用意しておけば、皮も肉も簡単に挽けて、無駄なく食材に使うことができます。

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2006年11月13日 (月)

25.ニワトリを飼う

百姓暮らしを始めるにあたって、家畜を飼うかどうかは悩むところです。私としては、せっかく田舎で農的暮らしをするのだから当然家畜は飼うものと思っていたのですが、どうもそういうものでもないらしいということが分かったからです。

 15年ほど前に百姓になった2人の子持ちの若いカップルは、もっぱら野菜栽培だけで、家畜は飼わない主義。肥料は知り合いの酪農家から牛糞を調達して間に合わせています。彼らが生きものを飼わないわけは、野菜の収穫が一段落した冬場に亭主の実家がある広島やかみさんの実家がある北海道にワゴン車で長期旅行をするのを慣わしにしているためです。家畜がいてはそうはいきません。これも田舎暮らしの一つのスタイルということはできます。

 ただ、自給的複合経営としての農家を目指すのであれば、家畜は田畑と同様に農家経営の重要な要素です。

 その際、一般にニワトリを飼うことから始めるようです。自給用に数羽飼う人もいれば、最初から数百羽単位で飼う人もいます。卵や肉は自給の食材としてきわめて有用ですし、大規模養鶏場から供給される市販の鶏卵の安全性が問われる中、平飼い養鶏の卵は貴重な存在として当座の現金収入の確保に役立つからです。それに仮に10坪の鶏舎に50羽飼い、雛から育てて廃鶏にするまでに2年を要したとすると、その間に敷き料であるもみ殻やオガクズ、それに毎日与える青草や野菜くずとニワトリの糞が混ざることによって、およそ鶏舎の床土から30~40cmの厚さの鶏糞堆肥が得られるからです。

 ところで、ニワトリの雄は深夜の2時ごろから鳴き出します。私などは慣れてしまったのでまったく気になりませんが、ご近所が嫌がるかも知れません。そのあたりのことは日頃のおつき合いで違ってきますが、あらかじめ養鶏を構想した上で土地探しをするのでしたら、一応はそのことも頭に入れておく必要があるでしょう。

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2006年11月 1日 (水)

24.いよいよ百姓暮らしへ

身辺多忙を理由にこの欄の執筆が滞ってしまったことをお詫びします。本講座は単に田舎暮らしというよりも、自給的な暮らし、つまり百姓暮らしになにがしかのヒントを与えられればというところに目的があるので、その方向に話をすすめていくことにいたします。

新しく移り住んだ家の敷地が広いか狭いかは百姓暮らしとはなんの関係もありません。畑が自分の敷地内にある必要はまったくないからです。農機具を置く場所、穫れた穀物を庭先で干すスペースくらいがあればいいでしょう。いまはどこにも不耕作地があり、農家ではその管理に頭を悩ませています。なにしろ、放置しておけば雑草が生え、その種が周囲に飛び散るので近所迷惑になるし、2年もすれば篠竹やクズやセイタカアワダチソウがはびこって、それこそ再生不能になってしまうからです。タダでいいから耕してほしいというのが実情のようです。田んぼも谷津田では同じです。つまり、田畑は借りればいいのです。

近年の地代の相場は、10アール当たり年に畑で1万円、田では女権の良いところで米2俵(2万円強)、谷津田のようなところでは1万円からタダまで。もっとも、この貸す借りるはいわゆる口約束です。正規の契約は農業者でないとできません。その違いは前者だと、返して欲しいと言われたときは返さざるをえませんが、後者だと法的に耕作権が発生するので、借り主に有利に働くことになるからです。地代は大抵は暮れの12月に支払います。お金のほかに何か1品添えれば喜ばれるでしょう。

現状として50アールを耕作していれば農業者として認められ、農業委員会をとおしての正規の貸借ができるので、田畑を取得したいと思うのであれば、無理矢理でも合計50アールの田畑を借り受け、なにがしか作物を作っておくことで農業者の資格を得る方法があります。農業者になれば農業委員会委員の選挙権も得られます。面白いことに、周りの農家を見ての感想ですが、いったん農業者になれば実際に耕作している耕地が50アール以下になっても農業者であることには変わりがないようです。

一方、農協の組合員には農業者でなくても加入できるようです。本来は農業者の団体であるのでしょうが、私の友人はそれほど耕作していないのに、「俺も組合員だ」と自慢していましたから。組合員にならずとも、農協に口座を設けたり、商品の取引をすることには農協は垣根を設けていないようです。

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