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2006年7月25日 (火)

16.住まいを考える マイクロバスの家

ビニールハウスの住居が奇想天外なら、もうひとつ愉快な発想で土地に根を生やした人をご紹介します。

私の住む町はハンググライダーやパラグライダーが盛んなところです。そのハンググライダーのインストラクターをしている独身のYさんが、おそらく地目は宅地ではなく畑と思いますが、そこに廃車直前の大型マイクロバスを持ち込み、住居にしたのです。バスをタイヤを付けたままジャッキで持ち上げて固定し、内部は乗客用の椅子を倒せばベッドになる長椅子に取り替え、車体の後ろ半分にパソコンを置くデスクと寝室までつくりました。電気を引き、井戸を掘り、トイレと台所は車外に別建てとしました。

バスの屋根には断熱効果も兼ねて荷物置き場を設け、夏冬の暑さ寒さはその都度エンジンをかければクーラー、ヒーターが作動してオーケーというわけです。

地目を変える手続きで手間取ることもなく、固定資産税もとられず、Yさんに言わせれば「ジャッキをはずせば、いつでも夜逃げができる」といういかにも身軽な生活スタイルです。向かい合わせのベッド兼用の長椅子は、ハングの仲間達の会議に使われることも多く、住居というよりは小会議室といった感じです。

住み始めた当初はグリーンのボディがあざやかで、幼稚園に置いてもいいような可愛らしさがありましたが、すでに十数年が経つと錆びも目立ち、みるからにみすぼらしくなってきました(ペンキを2年ごとに塗れば鉄部のもちも良かったでしょうに)。

それというのも、アイディア豊富なYさんは、このバスを拠点にして、隣り合わせに鉄骨のガレージ兼ハング・スタッフの宿泊施設を、そして少し離れたところにログハウス調の洒落た喫茶ルームを建てたからでしょう。

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2006年7月18日 (火)

15.住まいを考える ビニールハウスからの出発

住まいつまり住宅は、人によりそれぞれ好みが違いますから、他人がとやかく言うべきことではありません。ただ、折角新しい土地が見つかり、次なる行動として新しい家を建てる(あるいは気に入った空き家を借りる)わけですから、まずは柔軟な発想で事に当たってほしいものです。

こんな発想もあったのかと思われるものをいくつかご紹介します。

山の斜面をうまく利用して畑をつくり、ヤギや鶏を飼い、ふもとの田んぼを借りて米も作って自給自足の暮らしを実践している30代前半の夫婦。今では子供も2人できてとても幸せそう。しかし、その出発はビニールハウスからでした。資金ゼロから百姓暮らしを始めるというので、それならこれしかないと私が提案し、本人もその気になったものです。

 私のところにあった使いふるしの間口が3間ものと2・5間ものの ハウスパイプを提供し、間口3間長さ8メートルほどのハウスの中にさらに間口2・5間長さ5メートルのハウスをつくり 、その小さな方のハウスに床をあげて古畳を敷き、これまた古い障子で周囲の目隠しとし、生まれたばかりの子供をまじえた3人の住居にしたのです。内外2棟を覆うビニールシートの値段は5万円まではしなかったでしょう。

夏の暑さと冬の寒さをうまくかわすために天井にはブルーシートで日陰をつくり、側面のビニールを開け閉めすることでハウス内の温度を調節していました。 内側ハウスと外側ハウスの間のスペースは台所やその他必要な生活用具の置き場になっています。

当面雨露をしのぐ住まいができれば、あとはゆっくり時間をかけて本宅作りです。本宅といっても彼らはすべて建築廃材を集めて自分で建てる計画ですから、もうひとつ資材置き場用のハウスを建て、仲間の手も借りて、文字どおり基礎からゆっくり作っていました。

最初は風呂場、次に手伝ってくれる仲間が泊まってもいいゲストルームのようなワンフロアーの建物、最後にそれと隣接させて本宅作りと、その出来ばえはお見事でした。

これも人家から隔絶した山の中だから可能だったことなのかもしれません。

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2006年7月 7日 (金)

14.村人になりたい人へ

私がそうでしたが、ムラ人の一員になることを田舎暮らしのイメージにすえて土地探しをする場合を考えてみましょう。

景色といい家々のたたずまいといい、こんなところに住めればいいなと思える候補地があったとします。そこで、積極的こそ良しとばかりに役場の住民課の窓口や農業委員会に顔を出して「適当な空き家はありませんか」「売ってくれる土地はないでしょうか」と尋ねるのは、確かにツボを得たやり方のように思われますが、それはヤボというものです。快く相談に応じてはくれますが、素性のわからない人を土地の人に紹介することなどまずあり得ないと考えた方がよいからです。

畑で、あるいは農家の庭先で仕事をしている人に、仕事のじゃまにならない程度に、目の前にある作物やその土地のことなど質問してみてはいかがでしょう。喜んでいろいろ教えてくれるはずです。そのような機会が多ければ多いほどいい。なぜなら、まったく別の日に同じ道を通り、同じ人に出会う確立がそれだけ高いからです。

「この前の人だね。また来たのかい」「ええ、この町がとっても好きだから」「どうだね、お茶でもやっていきなせえ」

こんな会話が想像されます。農家の縁側でお茶をご馳走になりながら、農家の仕事の苦労話やその土地の良いところ、古い歴史などをたくさん聞いてみてください。会話の中からあなたがその農家の人に好感がもてるようでしたら、これから穫れるその人のお米や野菜を宅配便で注文してはどうでしょう。きっと喜ばれると思います。それこそ「顔の見える関係」であり、住むところは離れてはいても毎日同じお米を食べるのです。これぞ正しく親類づきというものです。そこで初めて「私たちもあなたの町に住みたい!」と、熱き心のうちを告げるのです。まるで「何か」と似ている進行です。

「頼まれてその人のために世話をする」ことを、農家の人は厭いません。むしろ、「自分が相談を受けた」ことを嬉しく、また大切に思うものです。自分に土地を世話する力がなければ、同じ集落の有運良く土地なり空き家なりが、その人のお陰で見つかったとしましょう。その時は、じつはあなたが移住してくる前に、すでにあなたのためにその集落に入る道が敷かれているはずです力者を紹介してくれるはずです。

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