12.私の土地探し(失敗談)
「都会を捨てて田園生活をするんだ」との勇んだ心は、ともすれば生活イメージにバランスを欠き、ある部分だけを強く意識してしまうことになりかねません。私の目的は、子供を自然の中で育てる、ムラに入り集落の人と付き合う、自給的な百姓暮らしをする、というものでした。
土地探しは、五万分の一の地図を見ながら、小学校の位置、畜舎や果樹園から離れている、南斜面などを目安に等高線が比較的ゆるやかな山林に白羽の矢を立てたのです。現地に立って私は、その景観のすばらしさに感動し、すぐに地主との交渉に入りました。
しかし、この選択方法にすでに思い上がりがあったのです。つまり、これからする生活の舞台を鳥の目で見ていたということです。生活の目線はやはり虫の目でなければなりません。日常の車での坂の上り下り、畑の面積、水はどうか等々、実際に生活をしてみてその不経済性をいやというほど味わうことになりました。水は、敷地のいちばん低いところに手掘りの井戸を掘り、そこからポンプで二つの水槽に中継するというありさまです。それに、斜面を平らにするということは法面がたくさんできることであり、2000坪の土地も、くの字につけた道路と法面が全面積の半分を占めることになりました。
車のタイヤの減り具合もばかになりませんし、畑の作業もそのつど坂の上り下りです。地元の人が住まないわけがわかります。
数年前ですが、私のところが南斜面なら、同じ山の西斜面中腹に陶芸をやる知人が新しく家を建てました。「かなり安く買えたので」というその土地から見る景色はそれはすばらしいの一言ですが、工事を始めてみて大変なことが起こりました。雨が降ると土砂が急斜面を下って低地の田んぼに流れ込むのです。つまり、土砂の流亡をいかに防ぐかでのコンクリート工事に大変な費用がかかったのです。おそらく「安かった土地」も平地の価格以上になったのではないでしょうか。どうしても山間に家を建てたいときは、「土を動かさないこと」を前提に考えるべきと思うのです。
| 固定リンク


コメント
お久しぶりです。
ホームページのアドレスを変えられたんですね。
私も最近サイトの引越しをしましたが、結構骨が折れました。
今後もよろしくお願いします。
投稿: 全解剖!千葉県の田舎暮らし | 2006年6月30日 (金) 16時23分